2019年01月28日

オープンダイアローグに期待する

    オープンダイヤローグに期待する
                                           佐野 愛子

病気を治すためには投薬治療が一般的です。がんの治療薬「オプチーボ」も保険適用となりその効果が期待されるところです。しかしながら、効用がはっきりしない薬もあるようで、認知症の進行を抑えるということでよく使われている「アリセプト」は画期的な治療薬だとされていますが、聞くところによるとフランスではその効果に疑問が生じ、最近保険適用から外されたということです。
また、発達障害や多動性がみられる子どもにも服薬をすることがあります。大人は「これで落ち着いた、普通になった。」と思いがちですが、本人は「ずっと頭に重い鉄の蓋をかぶっているみたい。」「自分が自分じゃないみたい。」という違和感を持っているということも聞きます。薬は副作用がつきものです。精神に病を持つ方々も服薬とその副作用とのバランスを見ながら処方を続けています。
そんな中、「オープンダイヤローグ」という、対話を重ねることで統合失調症などが回復するという画期的な治療法が注目されています。薬物中心の従来の常識を覆す手法です。
もともと、フィンランドの西ラップ地方で生まれた手法ですが、患者と家族、医師、看護師などの専門チームがミーティングを開き対話をするというごくシンプルなものです。
患者と治療者という上下関係はなく、みんなが対等に発言し、治療方針を決める時も患者のいるところで話し合いをします。
日本でも導入が始まり、研修会がもたれるようになってきました。しかし、まだまだ中央の一部の動きであって、静岡では治療ができるところまでは至っていません。医療現場に導入されるには課題が大きい現実です。
私はこの「オープンダイヤローグ」について、中央の研修会や書籍等で研究しなんとかして地元で実践できるように進めたいと考えています。関心がある方々と連携し進めて参りたいと思いますのでよろしければご一報ください。


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